借入金の残高は50万円ですが、取引状況を確認すると、長年に渡って途切れることなく取引を継続してきたことから、50万円の債務はすでに消滅しており、多額の過払金が生じていることが予想できました。
昭和時代から続いた取引で、多額の過払金を回収。
消費者金融からの借入を、昭和から平成にかけて返済し続けたOさん。弁護士に過払金調査を依頼したところ、1,000万円を超える過払金が判明しました。
ご相談者様
職業 |
無職(年金生活) |
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借入先 |
消費者金融 |
債務総額 |
1社 50万円 |
住所 |
兵庫県 |
Oさんは、まだ昭和の時代に、生活費の不足を補うため、消費者金融から10万円を借りました。すぐ返すつもりだし、たかだか10万円と軽く考えていましたが、いくら返済しても利息に充当されるばかりで、元金は一向に減りません。消費者金融業者にとって、毎月きちんと返済する人は上客です。取引枠を増やせると言われたため、生活費が不足した折に10万、また10万と借入を重ねてしまいました。言われるままに、取引枠の拡大、利率の引き下げを繰り返すうちに、いつの間にか借入額は200万円に達し、返済に追われる日々でしたが、Oさんはがんばって毎月確実に返済を続け、借金は50万円にまで減らすことができました。
そんな話を友人にすると、「ずいぶん長い間取引してるから、過払金があるんじゃないか?」と言われ、半信半疑で相談に来られました。
ご相談時の借金状況
解決までの道のり
過払金のあることが予測できたので、借金の返済を停止して、消費者金融に対して過払金の請求を行うことにしました。
Oさんからお話を伺って調査をした結果、1,000万円を超える過払い金が判明したのですが、金額が大きかったことから、業者との交渉は合意に至らず、訴訟を提起することになりました。裁判では、当方の主張が認められ、1,000万円を超える金額で和解が成立しました。
Oさんは、長きに渡って苦しめられた借金がとっくに消滅していたばかりか、思いもよらない大金が返ってきたことに、非常に驚きかつ喜んでおられました。既に年金生活に入っておられるOさんは、ゆったりとした老後の暮らしを手にすることができました。
調べてみると、Oさんは昭和50年代から途切れることなく取引を続けておられ、過払金があることが予測できました。真面目なOさんは、長い年月ひたすら返済してこられました。今なら過払金があることはよく知られていますが、当時はあまり知られておらず、Oさんも借りたものは返すものだと思って返済を続けていました。真面目に返済をしてきたOさんは、思いがけない大金を取り戻すことができました。
担当弁護士のまとめ

借りたものは返さなくては、との考えは間違っていませんが、消費者金融からの借入の場合、2008年頃より以前であれば、法定金利を超える20%以上の高い利息での取引が多く、払い過ぎ(返し過ぎ)になっていることがよくあるのです。払い過ぎた分は、過払金として返還請求することができます。
消費者金融への返済がいつまでたっても終わらず長年苦しんでいる方、随分前から取引を続けていた方は、過払金がないか一度弁護士に相談してみることをおすすめします。