大阪生まれの奈良育ち。夏の高校野球観戦が楽しみです。お互いのことを何一つ知らないご依頼者と弁護士が、少しずつ距離を縮めながら、人生の一大事の解決に向かうわけですから、ていねいにお話しをうかがって心を開いていただくことの大切さを痛感しています。
ギャンブルや浪費で借入が増えた場合の個人再生の留意点
- 1 はじめに
- 2 ギャンブルや浪費が借金の原因の場合の個人再生の留意点
- 弁護士に依頼した後は、ギャンブルや浪費をやめる必要があること
- ギャンブルや浪費を続けた場合、民事再生法25条4号の「不当な目的で再生手続開始の申立てがされたとき、その他申立てが誠実にされたものでないとき」に該当するとして、再生手続開始の申立てが棄却される可能性があること
- ギャンブルや浪費を続けた場合、裁判所から再生後の弁済可能性について疑問を持たれ、個人再生委員が選任される可能性があること
- ギャンブルや浪費を続けた場合、使った金額分について財産額への計上が求められ、再生後の弁済額が上昇する可能性があること
- 個人再生から自己破産に手続きを切り替えた場合、依頼後のギャンブルは、依頼前のギャンブル・浪費より免責不許可になる可能性が高くなること
- 3 弁護士によるまとめ
はじめに
ギャンブルや浪費で借金やクレジットカードの利用が増えてしまった場合、自己破産をしても免責が認められないことがあります(破産法252条1項4号)。これに対し、個人再生では、ギャンブルや浪費が借金の原因であっても、借金の圧縮が認められます。
そのため、ギャンブルや浪費が借金の原因であるいう場合に、個人再生を希望される方が多くいらっしゃいます。ただ、ギャンブルや浪費が借金の原因の場合、個人再生において固有の留意点がいくつかあります。ここでは、その留意点について見ていきます。
ギャンブルや浪費が借金の原因の場合の個人再生の留意点
ギャンブルや浪費が借金の原因の場合、個人再生において留意すべき事項は以下の①~⑤のようなものがあります。
No | ギャンブルや浪費が借金の原因の場合の個人再生における留意点 |
① | 弁護士に依頼した後は、ギャンブルや浪費をやめる必要があること |
② | ギャンブルや浪費を続けた場合、民事再生法25条4号の「不当な目的で再生手続開始の申立てがされたとき、その他申立てが誠実にされたものでないとき」に該当するとして、再生手続開始の申立てが棄却される可能性があること |
③ | ギャンブルや浪費を続けた場合、裁判所から再生後の弁済可能性について疑問を持たれ、個人再生委員が選任される可能性があること |
④ | ギャンブルや浪費を続けた場合、使った金額分について財産額への計上が求められ、再生後の弁済額が上昇する可能性があること |
⑤ | 個人再生から自己破産に手続きを切り替えた場合、依頼後のギャ |
以上の①~⑤について、以下解説します。
弁護士に依頼した後は、ギャンブルや浪費をやめる必要があること
弁護士に個人再生を依頼した後は、ギャンブルや浪費をやめる必要があります。その理由は、個人再生手続きに支障が生じる可能性があることや
ギャンブルや浪費を続けた場合、民事再生法25条4号の「不当な目的で再生手続開始の申立てがされたとき、その他申立てが誠実にされたものでないとき」に該当するとして、再生手続開始の申立てが棄却される可能性があること
民事再生法25条4号は、「不当な目的で再生手続開始の申立てがされたとき、その他申立てが誠実にされたものでないとき」は再生手続開始の申立てが棄却されると定めています。
この点、個人再生は債務を圧縮し、経済的再生を図るための手続きです。一方、ギャンブル・浪費は債務の増額につながりかねず、経済的破綻を招きかねないものです。そのため、ギャンブル・浪費を継続することと個人再生申立てをすることが矛盾する動きであり、不誠実な申立てであるとして、再生手続開始の申立てが棄却される可能性があります。
ただし、一般的には、弁護士に個人再生を依頼した後のギャンブル・浪費があっても、その金額が大きくないのであれば、再生申立てが棄却されるという極端な事態が発生する可能性は高くないと考えられています。むしろ、後で記載する個人再生委員・弁済額上昇の方が大きな問題となる可能性があります。
ギャンブルや浪費を続けた場合、裁判所から再生後の弁済可能性について疑問を持たれ、個人再生委員が選任される可能性があること
弁護士に個人再生を依頼した後にギャンブルや浪費を続けた場合、裁判所から再生後の弁済可能性について疑問を持たれる可能性があります。この点、ギャンブルや浪費は、思いのほか大きな金額になって家計の余剰を圧迫してしまったり、極端な場合新たな借入が必要になったりすることもありますので、継続的な返済を前提とする個人再生が可能であるか疑問を持たれてもやむを得ないところです。
もちろん、返済が可能か裁判所から疑問を持たれたとしても、十分な余剰があり再生後の支払に問題が生じないと判断されれば、大きな問題とまではいえません。問題なのは、ギャンブル・浪費を継続したために十分な余剰がなかったり、家計収支が不安定であるなどして、個人再生委員が選任される場合です。
個人再生委員とは、再生をする人の財産・収入の調査や、適正な再生計画案を作成するために必要な勧告をする必要があるときに選任されるものです(民事再生法223条2項)。弁護士に依頼した後にギャンブルや浪費を続けている場合、再生後の支払に疑問があり、財産・収入状況によっては、適正な再生計画案を作成できるか疑問が生じることになるため、選任される可能性があります。
個人再生委員が選任されると、個人再生委員に対する費用として15万円~30万円程度必要になりますし、依頼している弁護士に対する追加費用も必要になります。また、個人再生委員の弁護士事務所に出向く必要が生じるなど、手続的な負担も重くなります。加えて、弁済可能性に疑問があって個人再生委員が選任されていることから、調査内容によっては、最終的に弁済可能性がないと判断され再生が認められないおそれもあります。
ギャンブルや浪費を続けた場合、使った金額分について財産額への計上が求められ、再生後の弁済額が上昇する可能性があること
個人再生委員選任までいかなくても、弁護士に依頼した後にギャンブルや浪費を続けた場合、使った金額分について財産額への計上が求められ、再生後の弁済額が上昇する可能性があります。
現に現預金等として手元に残っていない以上、そのような扱いには疑問の余地もありますが、ギャンブルや浪費がなければ資産として残っていたはずとは言えます。そのため、裁判所がそのように判断するのであればやむを得ないところです。
このように判断された場合の弁済額の具体例は以下の通りとなります。
【負債・財産・浪費額】
- 負債額→700万円
- 実際に手元にある財産→100万円
- 弁護士依頼後のギャンブルや浪費で使った金額→100万円
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- ギャンブル・浪費を考慮しない場合、再生後支払うべき金額は、負債額700万円の5分の1=140万円と、手元にある財産100万円のうち、大きい方である140万円になります。3年36回で支払うとすると、毎月の支払額は約39,000円です。これに対して、ギャンブル・浪費を考慮する場合、再生後支払うべき金額は、負債額700万円の5分の1=140万円と、手元にある財産100万円+ギャンブル浪費で使った金額100万円=200万円のうち、大きい方である200万円になります。3年36回で支払うとすると、毎月の支払額は約56,000円です。
このように、弁護士に依頼した後にギャンブルや浪費を続け、使った金額分について財産額への計上が求められた場合、再生後の支払額が大きくなってしまいます。弁護士依頼後のギャンブル・浪費額が大きく、弁済額があまりに大きくなってしまうと、再生後の支払ができないと判断され、再生が認められないおそれもあります
個人再生から自己破産に手続きを切り替えた場合、依頼後のギャンブルは、依頼前のギャンブル・浪費より免責不許可になる可能性が高くなること
当初は個人再生で手続きをしようとしていたものの、個人再生では支払いが厳しいと見込まれるために、自己破産に手続きを切り替えざるを得ないケースがあります。自己破産では、ギャンブル・浪費が免責不許可事由になっていますが(破産法252条1項4号)、弁護士依頼後もギャンブル・浪費をしていると、免責不許可事由の程度がより強いと評価され、免責が認められない可能性がより高くなってしまいます。また、弁護士依頼後のギャンブル・浪費の程度によっては、自己破産への切り替えを断念せざるを得ないケースも考えられます。
弁護士によるまとめ

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