大阪生まれの奈良育ち。夏の高校野球観戦が楽しみです。お互いのことを何一つ知らないご依頼者と弁護士が、少しずつ距離を縮めながら、人生の一大事の解決に向かうわけですから、ていねいにお話しをうかがって心を開いていただくことの大切さを痛感しています。
個人再生と債権者から裁判を起こされた場合の留意点
はじめに
弁護士に個人再生を依頼した場合、依頼した時点から、債権者に対する支払いを止めることができます。そして、多くの場合、債権者は個人再生の手続きが完了するまで請求はしてきません。しかし、場合によっては手続きの途中で債権者が裁判を起こしてくることがあります。このページでは、どのような場合に裁判を起こされるか、裁判をされた場合の対応方法、裁判をされた場合に生じる問題点等について見ていきます。
どのような場合に裁判を起こされるか
個人再生の手続き途中で債権者が裁判を起こしてくるのは、多くの場合、手続きに時間がかかってしまっているケースです。例えば、弁護士費用の支払に時間がかかったり、個人再生申立に必要な資料収集に時間がかかっているケースが挙げられます。
多くの場合、裁判をされる前に、●月までに申し立てができない場合は裁判をするといった形で債権者から弁護士に連絡が来ます。そのため、そのような連絡が債権者から来た場合は、急いで個人再生申立をするケースがあります。
裁判をされた場合の対応方法
実際に裁判を起こされた場合は、放っておくことはできず、裁判所に書面を提出するなどの対応が必要です。この点、弁護士に個人再生手続きを依頼したのであれば、裁判対応も問題なく任せることができます。しかし、司法書士に依頼した場合は、貸金等の元本が140万円を超えていると司法書士では対応できず、ご自身で対応する必要があります。
裁判をされた場合、判決に至れば借入をしている人が負けるのは間違いなく、個人再生前提で進めているのであれば、裁判上の和解をするわけにもいきません。裁判対応の中身は、すぐに判決がでないようにできないか検討するものになります。
弁護士がわかりやすく解説
「借金問題での弁護士相談について」
裁判をされた場合に発生するデメリット
裁判を起こされると、裁判所から自宅等に訴状・支払督促等の書類が届きます。そのため、同居のご家族がいて内緒にしているという場合は、書類が届いて借金のことが分かってしまうかもしれません。
一方、同居家族がいない方や、同居家族がいても借金の話をして理解をしてもらっている方であれば、債権者から裁判をされたとしても、直ちに実害が生じるわけではありません。また、さらに手続きが進んで、判決が出たとしてもそれだけでは実害は生じません。しかし、債権者に勤務先を把握されていて、給与等の差押となると以下のような問題が生じてしまいます。
No | 給与等の差押になった場合に生じる問題 |
① | 給与の一部が手元に入らなくなり生活が苦しくなる |
② | 勤務先に借金のことが分かってしまう |
③ | 弁護士費用の支払中に給与を差し押さえられると、費用の支払いが困難になる |
④ | 費用の支払ができなくなると再生申立が困難になる |
⑤ | 差し押さえられた金額は、偏頗弁済となり再生手続き上財産額に計上しないといけない結果、再生後の弁済額が上昇する可能性がある |
個人再生の申立をして、再生手続開始決定が出ると、給与差押え等の強制執行はできなくなりますが(民事再生法39条1項)、以上のような問題を回避するには、裁判をされたり、給与の差押に至る前に、個人再生の手続きをテンポよく進めていくことが重要です。
気を付けるべき債権者
どの時点で裁判をされるかは、業者や事案ごとに様々で、一概に
自己破産や任意整理の場合
自己破産の場合でも、債権者から裁判された場合に留意すべき点は、個人再生の場合とほぼ同じです。
自己破産特有の留意点は、差し押さえられた金額が40万円以上になると破産管財事件になることです。破産管財事件となると弁護士費用が大きくなりますし、差押えをされて弁護士費用の支払が難しくなるケースもあるため、給与を差し押さえられると破産申立自体が困難になるおそれがあります。
任意整理は、もともと債権者と交渉して支払方法を定める手続きですので、債権者から裁判をされた場合、個人再生や破産の場合と異なり、債権者と弁済交渉をして和解する必要があります。和解をすれば、判決に基づいて給与差押えをされる心配はなくなります。任意整理では資料収集がほとんどないため、裁判をされるのは弁護士費用の支払に時間がかかったというケースがほとんどです。
弁護士によるまとめ
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