ボーナスに頼り過ぎた返済計画が
途中から狂い始めて生活を圧迫
長期ローンで返していくつもりが予期せぬリストラに遭い、返済が困難に。せっかく手に入れたマイホームを手放したくないものの、今のままでは収入の半分以上が住宅ローンで消えていく。
長期ローンで返していくつもりが予期せぬリストラに遭い、返済が困難に。せっかく手に入れたマイホームを手放したくないものの、今のままでは収入の半分以上が住宅ローンで消えていく。
中小企業に勤める堅実なサラリーマンだったKさんは30歳代でマイホームを購入。定年まで勤め上げるつもりで長期の住宅ローンを組み、コツコツ返済を続けていました。月々の返済が家計を圧迫しないようにと月払い分は低めに設定。その代わり、毎年2回のボーナスは30万円にして無理なく支払っていく予定でした。ところが不況のあおりを受けて業績が悪化し、Kさんはリストラされてしまいます。次の仕事は見つかったものの収入は下がり、ボーナスも出ない状況に陥りました。
事情はどうであれ、住宅ローンは待ってくれません。月々の返済はまだしも、ボーナス月ともなれば30万円の支払いが待っています。現金調達のためには他に方法もなく、仕方なく消費者金融から10万円を借りるようになったのが始まりでした。
問題の一つは、ローン返済計画にボーナス時増額を組み入れてしまったことです。サラリーマンだからといって終身雇用が保障されているわけではありません。まして、ボーナス時に30万円も増額するのは、昨今のように先行き不安な経済情勢では無謀です。
二つ目は、消費者金融で借金してしまったこと。金利が約2~3%の住宅ローンが払えないのに、18%もある消費者金融から借金するのは不利に決まっています。止むに止まれずという事情はわかりますが、住宅ローン返済のための借金は絶対にしてはならないことだったのです。
Kさんにとってはマイホームを持つことが一生の夢であり、何としても手放したくないという思いがあったため、ローン返済にまわすお金が足りない月は消費者金融で借りました。金利も含めて借金はふえ続け、住宅ローン以外に500万円ほどに達していました。住宅ローン本体の残高もまだ2000万円近くあり、もうこれ以上の借金は不可能です。生活の切り詰めも限界に達していて、あとは破産しかないとは思うものの、破産になれば家は競売にかけられ、自分たち家族は住むところもなくなると考えると絶望的でした。
完済の終わっていない住宅ローンを抱えている場合の債務整理では、借金と住宅ローンを分けて考えます。Kさんのように持ち家を手放ししたくないという強い願望がある場合は、自己破産ではなく、民事再生の道を検討します。民事再生の手続きをとれば、金融業者からの500万円近い借金は100万円までに減額することができます。幸い、Kさんの場合は給料が下がったとはいえ定期収入もあるので、住宅ローンの残債と合わせて月々無理なく支払える金額を決め、3年かけて返済することでうまく収まりました。
民事再生は、現状では借金で苦しんでいても、継続した収入があり、将来に向けて返済能力のある人に適した解決方法です。Kさんのように住宅ローンがあり、住宅ローン以外の債務を圧縮すれば支払を続けられる場合は、とくに民事再生が有効な解決策といえるでしょう。
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