コラム

2025.09.30

「もう限界かもしれない」と感じたら――飲食店経営者が知っておくべき破産申立てのこと

1. 今、多くの飲食店経営者が同じ悩みを抱えています

新型コロナ禍で受けた融資の返済が、重くのしかかっていませんか。やっと客足が戻ってきたのに、毎月の返済額が膨らんで、経営が立ち行かなくなっている――。そんな状況に直面している飲食店経営者の方は、決して少なくありません。

駅前の好立地で始めた居酒屋も、大手チェーンの進出や競合店の増加で売上げが右肩下がりになり、さらにコロナ禍が追い打ちをかけました。特別融資やクレジットのリボ払い、キャッシングなどで何とかしのいできたものの、返済の重圧で身動きが取れなくなっているのです。

「もっと頑張れば何とかなるかもしれない」「今あきらめるのは早すぎるのではないか」――そう自分に言い聞かせながら、毎日不安を抱えて過ごしていませんか。

2. 破産という選択肢は、決して「逃げ」ではありません

破産という言葉には、どうしてもネガティブなイメージがつきまといます。しかし、法律が破産という制度を設けているのは、経営者の方に人生の再スタートを切る機会を与えるためなのです。

破産手続を進めて裁判所から免責許可を受ければ、債務をゼロにすることができます。もちろん、事業関連の資産は原則として売却しなければならず、廃業することが前提になりますが、その代わりに借金に追われる日々から解放され、新しい人生を始めることができるのです。

3. 早めの相談が、なぜこれほど重要なのか

多くの経営者の方が、「資金が尽きるその日まで事業を続けたい」とお考えになります。事業への思い入れが強ければ強いほど、その気持ちは自然なものです。

しかし、実は破産申立てには、想像以上にまとまった費用が必要になります。弁護士費用だけでなく、裁判所に納める予納金、従業員を解雇する場合の解雇予告手当(30日分の賃金)など、少なくとも百万円近い資金を確保しておく必要があるのです。

「もう少し頑張ってみよう」と思ううちに資金が底をついてしまうと、破産申立てをしたくてもできないという状況に陥ってしまいます。まだ資金繰りに少し余裕があるうちに相談することで、選択肢を広げることができるのです。

4. 破産手続は、あなた一人で進めるものではありません

破産手続と聞くと、複雑で難しい手続を想像されるかもしれません。実際、破産手続開始の申立てには、債権者一覧表をはじめとする多くの書類を準備する必要があります。

しかし、弁護士に依頼すれば、こうした煩雑な手続のほとんどを任せることができます。経営者の方がすべきことは、弁護士との打ち合わせに応じ、必要な資料を提供し、財産状況について正確に説明することが中心です。むしろ、ご自身には再就職先を探すことなど、これからの生活の準備に専念していただきたいのです。

5. 破産手続の流れを簡単に理解しておきましょう

破産手続がどのように進むのか、大まかな流れを知っておくことは、不安を和らげることにつながります。

まず、弁護士と相談して申立ての準備を行い、裁判所に予納金を納付すると、破産手続開始決定が出されます。同時に破産管財人(通常は弁護士)が選任され、第1回債権者集会は手続開始から約3か月後に開かれるのが一般的です。

破産管財人は、会社の財産を調査・管理し、換価(現金化)を進めます。経営者の方には、この破産管財人に協力する義務があります。具体的には、管財人との面談に応じたり、財産状況について説明したり、債権者集会に出席したりすることが求められます。これは破産法に定められた義務であり、違反すると損害賠償責任を問われる可能性もありますので、誠実に対応することが大切です。

財産の換価が終わり、配当できるだけの財産があれば債権者への配当が行われ、最終的に破産手続終結の決定が出されます。手続開始から終結までは、平均して6か月程度です。もし配当できるほどの財産がない場合は、「異時廃止」として手続が終了します。

6. いつ事業を停止するか、どうやって費用を確保するか

個人事業主の方が破産する際に最も重要なポイントは、事業停止のタイミングと費用の確保です。

理想的なのは、新たな仕入れを控えつつ、次の返済期日の直前で事業を停止することです。なぜなら、特定の債権者だけに返済してしまうと、債権者を不平等に扱うことになってしまうからです。返済をしない日、つまり資金を最も多く残せる日を選ぶことが、破産申立ての成功につながります。

また、店舗を賃借している場合、明渡しを完了してから申立てをするか、未了のまま申立てをするかで、裁判所に納める予納金の額が大きく変わることがあります。備品類を売却して店舗を明け渡すことで、破産申立てに必要な費用を抑えられる可能性があるのです。

こうした戦略的な判断は、破産手続に精通した弁護士のアドバイスがあってこそ可能になります。

7. 従業員への対応も、弁護士がサポートします

事業を停止するとき、最も心配なのは従業員への説明ではないでしょうか。「反発されるのではないか」「どう説明すればよいのか」と不安に思われるのは当然です。

弁護士に依頼すれば、事業停止の日に弁護士が同席し、従業員の方々に廃業と解雇について説明することができます。法律の専門家が第三者として立ち会うことで、従業員の方々も状況を理解しやすくなり、経営者の方の心理的負担も軽減されます。

もちろん、解雇予告手当の支払いなど、法律上必要な手続についても、弁護士が適切にアドバイスいたします。

8. 破産後の生活再建について

「破産したら、これからの生活はどうなるのか」――これは誰もが抱く不安です。

個人事業主の方が廃業される場合、収入がなくなりますので、再就職について考える必要があります。飲食業界での経験を活かして、別の店舗で料理人として働く道を選ぶ方も少なくありません。破産したからといって、再就職が不可能になるわけではないのです。

むしろ、破産手続によって借金から解放されることで、精神的な余裕が生まれ、前向きに将来を考えられるようになったという声を、多くの方からいただいています。

9. 今、この瞬間が、人生を立て直す第一歩です

「そもそも弁護士に依頼するかどうか迷っている」という段階でも構いません。相談したからといって、必ず破産しなければならないわけではありません。個人再生など、他の選択肢についても検討することができます。

大切なのは、一人で悩み続けるのではなく、専門家に現状を話してみることです。弁護士は、あなたの状況を客観的に分析し、法律的な観点から最適な解決策を提案します。

返済に追われる日々から抜け出し、新しい人生を始めるための第一歩は、勇気を出して法律事務所の扉を叩くことから始まります。個人の方の借金問題については、何度でも相談無料で対応している法律事務所も多くあります。

「もう限界かもしれない」と感じたら、それは相談のタイミングです。まだ資金繰りに余裕があるうちに、一度お話を聞かせてください。あなたの人生の再スタートを、法律の専門家として全力でサポートいたします。

破産すべきかどうか
悩んでいる⽅の
ご相談も承ります

弁護士法人みお綜合法律事務所の無料相談をご利用ください。経験豊富な弁護士が解決策をご提案します。

初回無料相談に
お持ちいただきたい資料

初回の弁護士相談無料