破産・清算の手続きを進める中で、たくさんの専門用語が出てきます。ここでは、破産・清算の手続きに関する基本的な用語について弁護士が解説します。なお、専門用語に限らず、破産・清算の手続きで分からないことは、遠慮なく弁護士にご相談ください。
会社にある程度の財産を所有している場合、裁判所は破産管財人を選任し、債務や財産を調査したうえで、財産を換価して債権者に分配する手続きのこと。管財事件の場合、裁判所に管財人費用を納めることになるため、手続きにかかる費用が高額になります。
会社更生法に基づいた法的手続きのひとつで、株式会社のみに適用されます。裁判所に選任された更生管財人が会社の更生を目指す更生計画案を作成し、会社の再建を目指します。
会社の財産を整理したうえで、一切の事業活動を停止させること。税務署等に休眠化を届け出る必要があります。事業を再開する可能性がある場合に利用されることがあります。
会社の破産手続きを進めるにあたり、裁判所が債権者を召集して行う集会のこと。会社が破産に至った経緯の説明、会社の財産や配当の見通しについての報告などが行われます。
会社に換価できるような財産がない場合の破産手続きのこと。破産管財人の費用が不要なため、手続きにかかる費用を抑えられ、手続きも迅速に終了できます。ただし、弁護士による申し立てが必要です。
通常清算は、会社が債務超過などの状態に陥っていない場合にのみ可能な手続きで、株主総会の特別決議によって会社の解散を決定し、残った財産を清算する手続きです。通常清算の場合、裁判所の介入はありません。
債務者が債務の支払い条件などについて裁判所に申し立てをしたうえで、裁判所を介して債権者と交渉し、会社の再建を目指す手続きのこと。
会社が債務超過などの状態で、裁判所の監督のもとで債権者の同意を取り付け(多数決による)、会社を清算する手続きのこと。債権者の2/3以上の同意が得られれば、会社の清算が認められます。なお、特別清算は株式会社だけが利用できます。
債務者が債権者に対して、借入金の減額や支払い猶予などを求める交渉を行い、債務の返済条件を変更してもらうこと。任意整理は債務者と債権者が直接交渉する手続きのため、裁判所が介入することはありません。
支払い不能や債務超過などの状態に陥り、事業の継続が困難になった会社について、法律に則って財産を清算したうえで消滅させる手続きのこと。
破産する会社に換価できる財産がある場合に、財産を換価して、債権者に公平に分配する役割を担う人のこと。一般的に、裁判所から選任された弁護士が勤めます。
破産手続きの直前に特定の債権者や取引先に対してのみ、返済や支払いを行うこと。破産手続きにおいては、すべての債権者に平等に返済をする必要があるため、特定の債権者や取引先に対してのみ返済や支払いを行うことは許されません。
会社の破産手続きを進めるにあたり、未払い賃金(退職金を含む)が発生している場合、未払いの分について最大で80%を国が建て替えてくれる制度のこと。詳しくは弁護士にご相談いただくか、労働社健康福祉機構のWebサイトでご確認ください。
民事再生法に基づいた法的手続きのひとつで、裁判所に提出する再生計画をもとに、債務者自らが主体となって、会社の経営や個人の生活の再建を目指す手続きのこと。株式会社を含む中小企業や特殊法人のほか、個人も対象になります。
破産等の裁判手続きに必要となる官報公告や財産調査、換価処分等の業務遂行に充てられる費用で、裁判所への申し立て時に予め支払うお金のこと。