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借金問題解決コラム

更新日:2023年3月4日

消滅時効援用について

このコラムを書いた弁護士
弁護士 羽賀 倫樹(はが ともき)

大阪生まれの奈良育ち。夏の高校野球観戦が楽しみです。お互いのことを何一つ知らないご依頼者と弁護士が、少しずつ距離を縮めながら、人生の一大事の解決に向かうわけですから、ていねいにお話しをうかがって心を開いていただくことの大切さを痛感しています。

このコラムの解説内容

長い間払えていない借金について、業者から請求を受け、どうしたらいいかという相談をよくお受けします。この点、長い間払えてない借金は、消滅時効を援用して支払わなくてよくなる可能性があります。ここでは借金の消滅時効援用について見ていきます。

よくある相談のきっかけ

消滅時効援用の相談に至るきっかけには、以下①~③のようなものがあります。

No 相談のきっかけ
昔の借入について業者から請求書が届いた
裁判所から支払督促が届いた
裁判所から訴状が届いた

 

①の請求書が届いた場合は、裁判をされたわけではないため、直ちに実害が生じるわけではありません。しかし、放っておいて借金がなくなるわけではありませんし、むしろ遅延損害金が膨らんでしまいます。また、業者から請求書が届いたとなると、近いうちに裁判をされる可能性も考えられます。裁判をされると、支払督促・裁判の部分に記載のような不利益が発生しかねません。そのため、業者から請求書が届いたという時点で、早めに弁護士に相談することをお勧めします。

②の支払督促は、あまり馴染みのない手続きかもしれません。しかし、支払督促が届いてから2週間以内に督促異議申立をするなど適切な手続きをとらなければ、判決と類似の効果が発生します(民事訴訟法387条・396条)。例えば、強制執行に至ったり、時効期間が10年に延長したりします(民事執行法22条4号、民法147条2項・169条1項)。

③の訴状が届いた場合は、答弁書を提出せず、裁判期日に出廷しなければ、判決になります。判決に至ると、給料や預金を差し押さえられる可能性がありますし、時効期間が10年に延長になり、大きな不利益が発生します(民事執行法22条1号、民法147条2項・169条1項)。

 

以上の通り、昔の借入について裁判をされた場合、放っておくと大きな不利益が発生します。また、裁判をされたのではなく、請求書が届いたという場合でも、放っておけば不利益が発生する恐れがあります。そのため、昔の借入について、業者から請求を受けたという場合は、裁判手続きになっているかどうかにかかわらず、早めに弁護士に相談した方がいいと言えます。

よくある業者(消費者金融やクレジットカード会社等)

昔の借入について請求をしてくることがある業者は、アコム・プロミス・アイフル・レイク・オリコなど有名な業者であることもありますが、以下のようなあまり馴染みのない業者ということもよくあります。

 

No 昔の借入の請求をしてくることがある業者
ギルド(元ハッピークレジット・トライト・ヴァラモス)
クレディア(元武富士・日本保証・ステーションファイナンス・スタッフィ・トライト)
れいわクレジット(元三菱UFJニコス)
オリンポス債権回収(元CFJなど)
中央債権回収(元三菱UFJニコスなど)
ニッテレ債権回収
ジェーピーエヌ債権回収
アビリオ債権回収
アイアール債権回収
パルティール債権回収

 

以上のほか、法律事務所が代理人となり、請求書が届くこともあります。

取引をしていた当時と会社名が変わっていたり、債権回収会社に債権が移っていたりして、どこからの借入か分からないこともあると思います。しかし、会社名が変わっていたとしても、債権があることは変わりませんので、放っておくことはできません。

時効にかかる債権を請求する理由

時効にかかる債権は、消滅時効を援用すると支払わなくてよくなります。一方、請求をするには費用も手間もかかりますので、業者にとって時効にかかる債権を請求するのは無駄なことのようにも思えます。しかし、実際には、時効にかかる債権を請求する業者は多くあります。なぜ貸金業者や債権回収会社は時効にかかる債権を請求するのでしょうか?

その理由は、時効にかかる債権を請求した場合、すべての人が消滅時効を援用するわけではなく、払ってくる人もおり、業者にとって請求するメリットがあるからです。消滅時効を援用せずに支払った場合、支払った分の返還を求めることはできません。

また、一部を支払った場合、債務承認したことになるため、残りの部分は5年間時効にかからなくなります(民法152条1項)。裁判で請求された場合、何も対応しなければ判決確定から10年間時効にかからなくなります(民法147条2項・169条1項)。時効期間が伸びれば、再度時効になるまでの間に支払いを受けられる可能性が残りますので、その意味でも業者にとって請求するメリットがあります。

消滅時効援用が認められるための主な要件

消滅時効援用が認められるためには、下記のような要件を満たす必要があります。

No 消滅時効の要件
支払い期限から5年以上払っていないこと(民法166条1項1号)
途中で裁判をされている場合は、裁判確定から10年以上経過していること(民法147条2項・169条1項)
途中で少しであっても返済をしていないこと(民法152条1項)
途中で債務を承認していないこと(民法152条1項)

 

以上の要件を満たさない場合は、消滅時効援用は認められません。例えば、支払えなくなってから5年以上経っていると思っていたものの、それは記憶違いで5年経っていない場合、①の要件を満たしません。また、支払えなくなってから5年は経っているものの、途中で裁判をされていたために、②の要件を満たしていない場合もあります。

③が理由で消滅時効援用ができないケースは経験的にはあまり見かけませんが、時効援用しようとしているのが保証債務である場合、主債務者による支払いが問題となることがあります。

④は、例えば、支払えなくなってしばらくしてから業者と協議して和解書を作成し、そこから5年経っていないというケースが考えられます。

時効援用できないときの対応

消滅時効援用ができると判断して手続きを進めたものの、支払いができなくなってから5年経っていない場合や、途中で裁判をされていて10年経っていない等の事情があると、消滅時効援用は認められません。この場合、残っている借金は支払う必要があり、任意整理・個人再生・自己破産で対応することが考えられます。

残った借金を3年~5年で支払えるのであれば、任意整理が可能です。しかし、長い間支払っていなかった借金は遅延損害金が膨らんでいます。そのため、任意整理では対応できないケースも多くあります。その場合は、個人再生で圧縮したり、自己破産で免責を受ける必要があります。

どの範囲まで手続きをするか

借入が1社しかないのであれば、請求が来た業者について対応すれば問題ありません。

一方、払えていない業者が複数社あり、そのうちの1社から請求が来た場合は、請求が来ていない業者も含めて手続きをするか検討する必要があります。借金問題の根本的解決という観点からは、全ての業者に対応することが望ましいといえます。しかし、請求が来ていない業者に消滅時効援用の手続きをしたものの、実は消滅時効が完成していなかった場合、逆に借金の請求を受けてしまう可能性があります。複数社依頼すると、弁護士費用が大きくなるという問題もあります。

消滅時効援用をする際は、以上のようなメリット・デメリットから、手続きの範囲を検討することになります。

誰に消滅時効援用を依頼するか

消滅時効援用の手続きは、誰に依頼すればいいのでしょうか。弁護士・司法書士・行政書士が考えられますが、消滅時効援用に関わる手続きを幅広く任せられる方が安心だと思います。

行政書士は、消滅時効援用のための書類を作成することが可能です。しかし、業者とのやり取りや裁判所とのやり取りは自身で行わないといけません。また、消滅時効援用ができなかった場合の債務整理も任せることが出来ません。

司法書士は、消滅時効援用のための書類作成に加え、業者とのやり取りや裁判所とのやり取りも任せることができます。しかし、請求された元金が140万円を超えると手続きができません。また、消滅時効援用ができず、個人再生・自己破産が必要になった場合、申立書は作成可能ですが、裁判所とのやり取りは自身で行わないといけません。

弁護士の場合、消滅時効援用の際、請求された元金がいくらであっても対応ができます。また、消滅時効援用ができず、個人再生・自己破産が必要になった場合、申立書の作成のみならず、裁判所とのやり取りも含めて任せられます。

以上のように、消滅時効援用に関わる手続きを幅広く任せたいのであれば、弁護士に依頼するのがお勧めです。

弁護士によるまとめ

長い間支払えていなかった借金について請求を受けた場合、放っておかず適切に対応する必要があります。みお綜合法律事務所では、借金整理に関わる手続きを数多くお受けしており、消滅時効援用による解決も多くあります。昔の借入について業者から請求書が届いた、裁判所から書類が届いたという方は、みお綜合法律事務所にご相談ください。
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