複数の返済を一本化しても
借金がラクになるとは限らない
何社もの消費者金融への返済に追われていたSさんが飛びついたのは、銀行のおまとめローン。
借金が一本化されてラクになるはずだったのに…
何社もの消費者金融への返済に追われていたSさんが飛びついたのは、銀行のおまとめローン。
借金が一本化されてラクになるはずだったのに…
ボーナスを全額つぎ込むほどの競馬好きだったSさん、はじめのうちは給料の中でやりくりしていたのが大金を失うことが多くなり、消費者金融に借り入れるようになっていきました。あちこちの金融会社への借金は300万円にまで膨張。そんなときSさんの目に止まったのが「複数の借金を一本化して、返済をラクにしませんか」という銀行のホームページでした。消費者金融より金利も安いと飛びついたSさん、一流企業勤めの彼は審査条件も難なくパスして何社にも股がっていた300万円を銀行だけに借り換えました。あとは、月々決まった額を返済していけば自転車操業の借金生活から解放されるはずでした。ところが…
“おまとめローン”と呼ばれている銀行のカードローンは、銀行からまとまった金額を借り入れて貸金業者等に返済し、その後銀行への返済をしていくというものです。金利は消費者金融の利率よりは安く設定されていることが多く、返済も一本化できていいことずくめのように思えます。問題なのは、銀行は消費者金融に対する法律的な上限規制の対象外になっているため、それまでの借金をおまとめローンに借り換えてしまうと元の借金枠がゼロになり、再び消費者金融で借りることができるようになるという点です。せっかく銀行で借金を一本化してきれいに清算するはずだったのに、それまでの借金がなくなったことで生じた消費者金融の融資枠を使い、再び借金してしまう人が後を絶たないのです。別の見方をすれば、おまとめローンが多重債務の抜け道になっているといえなくもないのです。
Sさんはおまとめローンに切り替えたにもかかわらず、この後、最悪の事態に陥りました。月々の返済額は5万円でしたが、別にショッピング枠を利用していたカードの返済があり、全部を合せると返済が追いつかなくなっていきました。やがて、せっかく縁の切れた消費者金融にまた借り入れし、結果的にあちこちに借金が増えて元の木阿弥に。おまとめローンと再開した消費者金融への借り入れを合せると、借金総額は膨らむ一方です。
おまとめローンで消費者金融での借金を一本化しても借金が減るわけではありません。Sさんのように借入額が大きくなってしまった場合は、任意整理よりも裁判所を通した民事再生で借金を減額する道を選ぶほうがよいでしょう。民事再生の手続きをとると、500〜1,500万円の借金の場合は約5分の1に縮小されます。仮に600万円の借り入れがあったとすると、減額された120万円を3年かけて返していけばよいので見通しも立ちます。
ギャンブルがもとでできた借金でお悩みの方の場合、どうしても後ろめたさを感じてしまい、弁護士に自分の恥をさらけ出すようで相談しにくいという考えの方もおられますが、そんな心配はいりません。早い段階で弁護士に相談すれば、返済を止めたり、利息が増えるのを防いだりすることもできます。借金の原因が何であっても、法律は立ち直ろうとする人に救済の手を差し伸べています。まわり道をせず、弁護士を頼ることが解決への最短コースです。
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