大阪生まれの奈良育ち。夏の高校野球観戦が楽しみです。お互いのことを何一つ知らないご依頼者と弁護士が、少しずつ距離を縮めながら、人生の一大事の解決に向かうわけですから、ていねいにお話しをうかがって心を開いていただくことの大切さを痛感しています。
消費者金融やクレジットカードの金利、返済できますか。
このコラムの解説内容
クレジットカードで50万円を借り入れたAさんの例
Aさんは、クレジットカードで50万円を年利18%で借り入れました。利息だけを考えれば、1年で9万円、1か月あたり7,500円を支払えばいい計算になります。しかし、これではいつまで経っても借金がなくなりません。実際には、毎月より大きな金額を支払う必要があります。
元本と利息の合計で、毎月10,000円を支払う場合
元本と利息の合計で、毎月10,000円を支払っていくとどう
4か月に1回、10,000円の追加の借入をする場合
元本と利息で、毎月10,000円ずつ支払っていくといっても、生活が苦しいときもあるかもしれません。最初に50万円を借り入れ、その後4カ月に1回だけ10,000円を追加で借り入れると、どれくらいの期間で完済できるでしょうか。追加借り入れをするのが4カ月に1回だけですので、返済期間はそれほど伸びないようにも思えます。実はこの場合、本来完済できるはずの93回目の支払いをしても、約48万円の債務が残ってしまいます。8年近く返済しても、全くと言っていいほど債務が減っていません。
なかなか借金が減らないリボ払い
このように、リボ払いはなかなか債務が減らない設定になっています。少しでも追加借り入れをすると、減ったはずの債務がすぐに元に戻ってしまいます。
このように考えると、消費者金融やクレジットカードの金利は、返すのに苦労する設定になっていると言えるでしょう。
リボ払いは自転車操業への入り口
自転車操業という言葉をご存じでしょうか。これは、既に借金がある状態で、他のところから借入をして、返済に回す状態のことを指します。
消費者金融やクレジットカードから借入をする場合、元々家計に余裕のない方が多いと思います。仮に、家計の余剰が0の場合、毎月の返済は、借入をして用意しなければなりません。
年利18%で50万円を借り入れをした場合どうなるか?
年利18%で50万円を借り入れ、毎月利息と元本を同額支払っていくとして、その返済のために新たな借入をするとすればどうなるでしょうか。借り入れた翌月には利息7,500円と元本7,500円の合計15,000円を支払うために、他のカードから15,000円を借り入れることになります。これをずっと繰り返していくと、下記のように、雪だるま式に借入が増えていきます(全て年利18%のところで借入をしたと仮定しています)。
時期 | 借入総額 |
当初 | 50万円 |
1年後 | 60万円 |
2年後 | 71万円 |
3年後 | 85万円 |
4年後 | 102万円 |
5年後 | 122万円 |
6年後 | 146万円 |
7年後 | 174万円 |
8年後 | 208万円 |
9年後 | 249万円 |
10年後 | 298万円 |
11年後 | 356万円 |
12年後 | 426万円 |
13年後 | 510万円 |
14年後 | 609万円 |
15年後 | 729万円 |
もともと月1万円の赤字家計の場合
これが、借入をしなくても1万円の赤字になっている家計であれば、どうなるでしょうか。月1万円の差ですので、大きな差にはならないようにも思えます。ところが、実際には、下記の通りとなります(全て年利18%のところで借入をしたと仮定しています)。
時期 | 余剰0の場合の借入総額 | 1万円の赤字家計の場合の借入総額 |
当初 | 50万円 | 50万円 |
1年後 | 60万円 | 72万円 |
2年後 | 71万円 | 100万円 |
3年後 | 85万円 | 132万円 |
4年後 | 102万円 | 171万円 |
5年後 | 122万円 | 218万円 |
6年後 | 146万円 | 274万円 |
7年後 | 174万円 | 340万円 |
8年後 | 208万円 | 420万円 |
9年後 | 249万円 | 515万円 |
10年後 | 298万円 | 629万円 |
11年後 | 356万円 | 765万円 |
12年後 | 426万円 | 928万円 |
13年後 | 510万円 | 1123万円 |
14年後 | 609万円 | 1356万円 |
15年後 | 729万円 | 1634万円 |
毎月の赤字が1万円であっても、いつの間にか1000万円を超える借入になってしまいます。予想以上の借入額ではないでしょうか。
これが月2万円の赤字家計の場合はどうなるか?
2万円の赤字家計であればどうなるでしょうか。以下の通りです(全て年利18%のところで借入をしたと仮定しています)。
時期 | 余剰0の場合の借入総額 | 1万円の赤字家計の場合の借入総額 | 2万円の赤字家計の場合の借入総額 |
当初 | 50万円 | 50万円 | 50万円 |
1年後 | 60万円 | 72万円 | 85万円 |
2年後 | 71万円 | 100万円 | 128万円 |
3年後 | 85万円 | 132万円 | 179万円 |
4年後 | 102万円 | 171万円 | 241万円 |
5年後 | 122万円 | 218万円 | 314万円 |
6年後 | 146万円 | 274万円 | 402万円 |
7年後 | 174万円 | 340万円 | 506万円 |
8年後 | 208万円 | 420万円 | 632万円 |
9年後 | 249万円 | 515万円 | 781万円 |
10年後 | 298万円 | 629万円 | 960万円 |
11年後 | 356万円 | 765万円 | 1155万円 |
12年後 | 426万円 | 928万円 | 1431万円 |
13年後 | 510万円 | 1123万円 | 1736万円 |
14年後 | 609万円 | 1356万円 | 2102万円 |
15年後 | 729万円 | 1634万円 | 2540万円 |
毎月2万円の赤字家計では、2年で100万円以上、7年で500万円以上となり、一気に借入額の増え方が大きくなっていることが分かります。実際には、節約をしたり、収入が増えたりすれば、このように一気に借り入れが増えません。ただ、赤字額がより大きかったり、収入が下がるようなことがあれば、これ以上のペースで借金が増えることも考えられます。
弁護士によるまとめ
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