借金総額は夫婦合わせて約300万円ありました。交通事故による負傷のせいで働けなくなった妻と定年退職した夫には、借金返済の見通しが全く立たない状態でした。
つつましい暮らしの支えにと頼ったキャッシングが命取りに。自己破産で借金生活に終止符。
交通事故や病気などの不幸による減収からキャッシングに頼らざるを得なかったTさん夫妻でした。返済のメドが立たなくなったことから自己破産をおすすめし、晴れて普通の暮らしを取り戻されました。
ご相談者様
職業 |
会社員 |
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債務総額 |
300万円 |
Tさん夫妻は共働きでしたが、独立した子どもに生活援助資金を仕送りしていたこともあって、貯蓄もなく切り詰めた毎日を送っていました。それでも、何とか借金をせずにつましく暮らしていました。ところが、妻が交通事故で負傷。ケガのために仕事を失うことになってしまいました。夫婦で家計を支えてきたTさん一家にとって、妻の収入が断たれることは大きな痛手です。やむなく当座の生活資金のために銀行やカード会社から借金をするようになりました。
しばらくすると、今度はTさん自身が定年退職になって収入がさらに大幅に減少し、借金はどんどん膨らんでいきました。返済に追われるたびに借入れして支払う自転車操業状態でしたが、ついにカードのキャッシング枠が上限に到達。これ以上は支払いができなくなったことから、当事務所に相談に来られました。
ご相談時の借金状況
解決までの道のり
Tさん夫婦の経済状態から判断して、これ以上借金を抱えたまま生活し続けていくことは精神的にも辛いことだと思えたので、免責許可が得られれば借金から解放される自己破産に向けて手続きを進めました。Tさんには処分の対象になるような財産がなかったため、裁判所の免責許可もすぐに下り、同時廃止で決着しました。
仮に任意整理などの手続きをとって借金の返済を止めたとしても、それでTさん夫妻が救われるとは考えられませんでした。債務整理後も、残高返済のために金策に走る生活を続けられたに違いありません。まじめな方だけに、最初、破産という言葉の響きには抵抗を
示されましたが、弁護士が自己破産のメリット・デメリットについて丁寧に説明した結果、人生の再スタートの手段と受けとめられ、納得して破産の申立てに同意されました。