さらに加えて、Jさんは会社で引き起こした作業ミスのために、数十万円にも及ぶ損害賠償を求められていました。ただでさえ借金苦に陥っているJさんにそんな大金が用立てできるはずもなく、仕方なく消費者金融から50万円を借入れて、賠償金の支払いに充てました。
Jさんの収入は以前に比べて下がっており、生活費だけで収入のすべてが消えてしまう状況で、350万円近い借金を返していくのはとても無理と考え、ご相談に来られました。
ゲーム依存による借金は浪費と言えますので、自己破産しても免責が得られない可能性がありましたが、弁護士による手続き進行で裁量免責を得ることができました。
職業 |
会社員 |
---|---|
借入先 |
クレジットカード |
債務総額 |
350万円 |
住所 |
大阪府 |
もともとゲーム好きだったJさんは、スマートフォンにしてからはますますゲームに熱中するようになりました。最初のうちは無料で楽しんでいましたが、もっと有利にゲームを進めるために有料のアイテムが欲しくなり、課金ゲームにのめりこむようになりました。
支払いにはクレジットカードを利用していましたが、いくつものゲームに参加するようになると、アイテム代に費やす金額もみるみる増え、カードでの支払いは300万円にも達していました。
さらに加えて、Jさんは会社で引き起こした作業ミスのために、数十万円にも及ぶ損害賠償を求められていました。ただでさえ借金苦に陥っているJさんにそんな大金が用立てできるはずもなく、仕方なく消費者金融から50万円を借入れて、賠償金の支払いに充てました。
Jさんの収入は以前に比べて下がっており、生活費だけで収入のすべてが消えてしまう状況で、350万円近い借金を返していくのはとても無理と考え、ご相談に来られました。
年収を大きく上回る借金を背負ってしまったJさんに、返済することが前提になる任意整理や個人再生は不可能と判断し、自己破産を検討することにしました。
ただ、借金の原因が課金ゲームだったことから免責不許可になる可能性がありました。現に、裁判所での申立てにおいて、Jさんのケースは免責不許可事由に該当すると指摘されましたが、弁護士が今はゲームをすっかりやめたことや、Jさんが深く反省していることを説明。裁判官もこれらの事情を考慮してくれて、免責が認められ、Jさんはすべての借金の返済を免除してもらうことができました。
自己破産の手続きのポイントはいかにスムーズに免責を得るかにあります。免責は誰にでも認可されるわけではなく、申立て内容に嘘があったり、財産隠しをしていたり、浪費やギャンブルで財産を失ったりしていた場合は、免責が不許可になることがあります。
課金ゲームで大金を失ったJさんの場合はまさにこれに当たりました。そこで、弁護士はJさんがゲーム依存に陥るようになった理由、現在はゲーム依存から脱出したこと、深く反省していることなどについて、審査のための尋問の場(免責審尋)で事情を説明。裁判官にも認めてもらうことができました。