Mさん本人の借入額は約300万円、夫の借入額は約500万円、夫婦合わせた借入総額は800万円にも上っていました。家計収支と照らし合わせてみると、とても返済できる状況ではなく、このままでは家計が破綻すると、当事務所に相談に来られました。
3人の子どもの教育費や、親の医療費で積み上がった借金。夫婦別々の手続きで無事解決。
元々ぎりぎりの生活をしていたMさん夫婦。Mさんは仕事の量を増やすなど尽力しましたが、やはり返済が困難に。ご主人は任意整理、妻であるMさんは自己破産と別々に手続きすることで、家を手放さずに借金問題を解決しました。
ご相談者様
職業 |
保険外交員 |
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借入先 |
クレジットカード |
債務総額 |
800万円(夫婦合わせて) |
住所 |
大阪府 |
Mさんは夫との間に子どもが3人おり、生活費がかさむため元々ぎりぎりの生活を送っていましたが、子どもが成長するにつれ教育費がかさむようになり、高校や大学進学の際の費用は、借入で賄わざるを得ませんでした。Mさんは、借入をするだけでは苦しくなるばかりと考え、子育ての時間も減ってきたことから、仕事の量を増やし、生命保険の外交員として働くようになりました。しかし、成績を上げるため、自分で保険に入ったり、顧客への手土産代がかさんだりと、思ったほど家計は改善しませんでした。
それどころか、追い打ちをかけるようにMさんの親が病気になり医療費などもかさんだことから、借入れはさらに膨らんでしまいました。
ご相談時の借金状況
解決までの道のり
夫婦で自己破産の手続きを進めるのが一番楽になるとも思われましたが、住宅は夫名義でローンを完済していることが分かり、夫は、住宅を手放さずに済む任意整理の手続きを取ることにしました。
一方Mさんは、破産により保険外交員の登録を取り消される可能性があるため、個人再生の手続きを取っていました。しかし手続きの途中で外交員を退職され、別の仕事をするようになったため、破産手続きに切り替えることになりました。ただ、Mさんは退職時に退職金を受け取り、それを親族からの借入れへの返済に充てていたことが、裁判所への申立ての際問題になりました。裁判所での審尋手続きもありましたが、不当性が低いことを説明し、何とか破産・免責が認められました。
Mさんの夫は、ローン返済の終わった自分名義の住宅を所有されていたので、自己破産にはせず、任意整理で返済能力に見合った金額で残金を返す手続きをとりました。任意整理の手続きは自己破産や個人再生に比べて比較的簡単に済むので、夫の手続きは順調に進みました。
一方、妻のMさんには大きな財産がなかったため、自己破産を選択して借金を0にすることにしました。
その結果、Mさん夫婦は自宅を手放すことなく、800万円あった借金を大幅に減らすことができ、新たな生活に向けてスタートすることができました。
担当弁護士のまとめ
Mさん夫妻の借金は相当な金額になっていましたが、自己破産と任意整理と、それぞれの状況に適した手続きを選択することで、無事解決に至りました。