自宅を売却しましたが、売却額に比べて住宅ローンの債務額の方が高額になるオーバーローン(担保割れ)状態で、1000万円以上の債務が残ってしまいました。とても支払っていける額ではなく、残った債務を整理したいとご相談に来られました。
住宅ローンを組んだ数年後、リストラに。財産は底をつき、自宅も売却したが、未だ残る住宅ローンに苦しめられ、ついに自己破産。
Aさんは住宅ローンを組んで、マンションを購入しました。数年後、リストラに遭い、パートの仕事にしか就けず、収入は大幅に減少。やむを得ず自宅を売却したものの、高額なローンだけが残ったため、自己破産して苦しい返済から解放されました。
ご相談者様
職業 |
パート |
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借入先 |
住宅ローン |
債務総額 |
1000万円 |
住宅ローン |
1000万円 |
住所 |
大阪府 |
Aさんは、マンション購入のために住宅ローンを組みましたが、当時は正社員として働いていて、十分返済可能なローン設定でした。
数年後、会社の業績不振からリストラに遭い、就職活動を続けましたが、パートの雇用しかなく、収入は大幅に減少してしまいました。自宅を維持するため、預金を切り崩して住宅ローンの支払いに充てていましたが、そのような状態は長続きせず、しばらくすると預金が底をついてしまいました。次にAさんが返済資金に充てたのが、自宅の火災保険の解約払戻金でした。数十万円の払戻がありましたが、ローン支払い数か月にしかならず、Aさんはまたもや窮地に立たされることに。生活費を切り詰めたり、節約に尽力しましたが追いつかず、ついに自宅の売却を決意。しかし、安い価格でしか売れなかったため、高額な住宅ローン代金が残ってしまいました。
ご相談時の借金状況
解決までの道のり
金融機関等からの借入はなく、Aさんの債務は住宅ローンのみでしたので、問題なく自己破産ができると判断しました。また、Aさんは特に財産も無かったため、同時廃止という、比較的簡易にできる破産手続きを進めました。
借入の経緯などには問題がなかったことから、順調に手続きが進み、無事免責が認められました。
Aさんの場合、自宅の売却代金が低かったために、ローンが残るという結果になってしまいました。Aさんはすでに自宅を売却しており、また、Aさんの経済的状況からみても、解決の方法は自己破産しかないと判断し、同時廃止の手続きを進めました。
同時廃止手続とは、自己破産をされる方に高額な財産がなく、かつ免責についても問題がない場合にとられる手続です。破産申立から手続き終了までの期間が短く済むなどのメリットがある手続で、Aさんの債務は速やかに免除され、生活の立て直しを図ることができました。
担当弁護士のまとめ
自己破産の手続きには、書類や書式に一定の決まりがあり、また、財産・負債・収支の調査、裁判所への申立など、面倒な作業が多々あります。申立をスムーズに進めるためにも、弁護士に相談されることをお勧めします。