父親のローン返済と自らが使ったクレジットカードの支払い、及び、消費者金融での借り入れを合せると手取り20万円の給料は大半がなくなり、手元にはわずかしか残らない状態でした。それでも支払いは待ってくれないため、返済のためにまた借り入れをふやすという自転車操業が続き、借り入れ総額は250万円に達していました。
免責許可がなかなか下りない 浪費が原因の破産申請を 事情説明して裁量免責を獲得。
父親のローンの肩代わりからくるストレスで、浪費生活を送るようになってしまったNさん。自己破産の手続きは難航しましたが、弁護士による交渉を経て、免責を得ることができました。
ご相談者様
借入先 |
消費者金融、保証債務、カード会社(計5社) |
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債務総額 |
約250万円 |
Nさんのお父さんはローンを組んで持ち家を大幅リフォームしました。その際、父親から保証人になるのを頼まれたNさんは快く引き受けました。ところが、順調にローン返済を続けていた父親の資金繰りが途中から悪くなり、支払いは保証人であるNさんが肩代わりせざるを得なくなりました。30代半ばのNさんにとって、5万円近い金額が毎月の給料から差し引かれるのは痛手でした。
ご相談時の借金状況
借金はこうして膨らんだ
Nさんの借金がふえていったのにはもう一つの理由があります。父親のローン返済が重くのしかかり、精神的にも追いつめられたNさんは、高級ブランドの時計や衣料品などをクレジットカードで買い漁ることでストレスを発散するようになっていきました。浪費のツケの支払いのため、購入した高級品を売って金銭に換えたりもしましたがとても追いつかず、やがては消費者金融からも借入れをするようになりました。
解決までの道のり
Nさんには消費者金融での借入れもありましたが、残念ながら過払い金は発生しませんでした。250万円を数年で返せる力はNさんにはないとみて、自己破産で借金を清算する解決策をとりました。Nさんには財産とよべるほどのものはなかったので、当初は「同時廃止」で免責許可が下りて借金から解放される予定でした。
ところが、Nさんの借金の原因が浪費だったことや、肩代わりしたローン代金が父親から返金される可能性があることから、「同時廃止」ではなく「管財事件」扱いとなり、Nさんの資産や債務の状況について詳細な調査がされましたが、最終的には免責許可を得られ、生活の立て直しをはかることができました。
すぐに免責許可が下りる「同時廃止」と違い、「管財事件」になると手続きに時間がかかります。免責不許可事由であるNさんの浪費については、家族の借金の肩代わりからくるストレス性のものであることを訴えて理解を得、父親からの返金についても期待できないとして、借金を免責するのが相当であると免責が認められました。