いくつもの業者と取引きするようになった結果、借入額は1,400万円にも達していました。月々の返済金も20万円近くにまで膨らんでおり、日常生活を圧迫するようになっていました。幸いにも、Wさんは賃貸住宅住まいだったので、仮に自己破産しても自宅を手放す心配はありませんでした。
個人再生
2017/11/27
将来の退職金がネックになって破産したいのにできない。そんな場合は個人再生に切替える
自己破産を希望されていたWさんでしたが、退職金の見込み額が高かったために破産は不可能に。そこで、個人再生に切替えたことで、無事に経済的再生を果たすことができました。
ご相談者様
Wさん(50代 男性)
職業 |
サラリーマン |
---|---|
債務総額 |
1,400万円 |
Wさんは中堅どころのサラリーマン。キャリアに見合った報酬を得ていましたが、収入を上回る派手な生活を続けていたことからやりくりがつかなくなり、銀行・消費者金融などから借入れをするようになりました。
ご相談時の借金状況
借金はこうして膨らんだ
借金額の大きさもあって、Wさんは自己破産での清算を望まれていました。そこで、破産に向けての手続きをとるために財産を調べていくと、Wさんには退職金見込み額が約2,000万円あることがわかりました。自己破産する場合、大きな財産は手放す必要がありますが、財産には退職金も含まれます。勤務中であれば、受け取るはずの退職金の8分の1を前もって支払わねばならず、そのための現金が必要になるのです。まとまった現金を用意できないWさんにはそれが不可能なため、破産を選ぶことはできませんでした。
そこで、分割で支払いができる個人再生に方針を切り替えて手続きを進めました。 申立ては認められ、月々の支払い金額を8万円程度に圧縮することができました。
解決までの道のり
借金総額が膨らんでいたため、自己破産での解決以外に道はないと考えられていたWさんでしたが、個人再生でも借金が大幅に減額できことを提案し、その後の返済計画についても助言を行いました。その結果、支払い可能な金額で借金は整理され、破産することなく、まとまった現金を用意する必要もなくなりました。
担当弁護士のまとめ
個人再生手続は住宅ローンの支払いを続けて家を守りたいという方が利用することが多いですが、本件のように破産するのが困難な方が利用することもあります。借金の整理には、自己破産・個人再生以外に任意整理の方法もあります。どの方法が最も適切であるかはそれぞれの方が置かれた状況によって異なりますので、借金の支払が厳しいという方はどのようにして借金を整理するか弁護士に相談いただければと思います。